不動産を売却するときは、
「いくらくらいで」、「いつまでに」売りたいかについて、自分自身の希望、イメージがあると思いますが、「なぜ売却検討をしているのか」という理由については、少し突っ込んで自分なりに整理しておきましょう。
なぜなら、売却をしなければならない理由次第で、売却価格も、売却完了時期も、実際の取引の場面では、その範囲が決まってしまうからなのです。
ですので、事前の下準備段階で考えをめぐらせるときは、優先順位を、
ⅰ)売却理由(とその後の資金使途)を明確に伝えられるよう、書き出して整理する
↓
ⅱ)売却後に、手取りでいくらくらい必要となるか、予想額(希望額)を出す
↓
ⅲ)いつまでに売却代金が必要になるか、全体のスケジュール(期限)を想定する
という順で、面倒でも、紙に書くなどして可視化しながら、考えをまとめてみましょう。
ここがポイント
「今の住まいでは将来、生活不便が生じそうなので、今のうちから準備をしておこう」、あるいは、「相続で家族が不仲にならないよう、今から準備しよう」といった理由は、早めの対策として、好ましい感じに見えます。
しかし、最初に「売却」ありきで突き進んでしまうと、途中から、何のための売却だったのか、迷走してしまうリスクもあります。
売却したいということは、何らかの問題が生じている(生じつつある)状態ですが、問題解決は、売却一択ではなく、ほかにもっと良い選択肢がある可能性もあります。
それだけに、「売ろうかな」と思い立った時、いきなりネット検索で予想売却額チェックから入るのではなくて、上記①の、理由(問題となっている部分)について、まずはしっかりと可視化してみる、という作業に時間をかけることが、問題解決の近道です。